|
第21回日本がん転移学会学術集会・総会
会長 安井 弥
この度、第21回日本がん転移学会学術集会・総会を平成24年7月12日(木)・13日(金)の2日間にわたり広島で開催させていただくことになりました。
わが国においては生涯のうちに男性では半数、女性では40%ががんに罹患するという現実があります。がんの発生早期でがん細胞が原発巣に留まって増殖しているだけであれば、手術などで切除することによって完全に直りますが、転移があればそのすべてを取り去ることは事実上不可能です。がんによる死亡原因の多くは転移によるといわれており、この全身病としてのがんを制圧するためには、転移巣の制御が極めて重要です。
日本がん転移学会の基礎は、1992年に設立された日本がん転移研究会であり、2000年に学会に組織を改め現在に至っています。設立当初より、ユニークな発想とそれに対応したモデルを用いた研究により、転移の分子基盤の解明とその制御に向けて多くの成果を挙げてきました。転移制御遺伝子の単離に始まり、血管新生や微小環境を含む宿主要因の解析、様々なレベルでのオーミクス研究を駆使し、現在ではマイクロRNAやがん幹細胞の解析を通して、確実にがん転移の本態に迫っています。さらに、転移機構に根ざした分子標的治療の展開により、がん転移の治療の進歩にも大きく貢献しています。
その第21回学術集会・総会をお世話させていただくことは大変光栄に存じます。基礎、臨床、企業が恊働し、総力をあげてがん転移の分子基盤を理解し、それに基づいた治療・予防に実装することにより、転移の制圧をめざすという意味を込めて、メインテーマを『英知の結集−理解から制圧へ』としました。がん転移研究の権威であるI.J. Fidler博士の特別講演、2題のレクチャー、シンポジウム「微小環境からみた臓器特異的転移」「転移機構を標的とした治療展開」、ワークショップ、国際ポスターセッション、一般ポスター発表等を行なう予定です。これにより、基礎研究から臨床への新しい展開がさらに進み、がん転移制圧の大きな一歩になるものと期待しています。
会員の皆様のご参加を心よりお待ちしています。
|