日本がん転移学会 The Japanese Association for Metastasis Research トップページへ戻る
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研究活動-研究推進活動

■日本がん転移学会(がん転移研究会)研究推進活動 ◆出版書籍◆
当学会にて、研究推進活動の一環として発行しました書籍です。
ご購入は書店さまへ直接お問い合わせくださいますようお願いいたします。
がん転移研究の実験手法
がんの浸潤・転移研究マニュアル
[続]がんの浸潤・転移研究マニュアル
癌転移のメカニズムがよくわかる「肝転移のすべて」
がん転移研究の実験手法
がん転移研究の実験手法  1991年9月に基礎および臨床研究者が集まってがん転移に関する実質的な討論を行う場として「がん転移研究会」が発足した。その推進活動の一環として、がん転移に関する基礎的、臨床的研究手法の比較や標準化を計るための手始めとして、1994年6月に「がんの浸潤・転移研究マニュアル」および1997年4月にその続編が刊行された。両冊子ともに「in vitro. in vivo転移モデルの比較検討、標準化」を目指し、実験モデルに基づいて臨床的に意味のあるがんおよびがん転移の病態に迫ることを念頭に置き、この分野の研究を進めようとされる研究者の一助になればという経緯で作成された。
がん転移の研究は、培養がん細胞を用いたがん転移実験モデルが作成されて以来、この現象を細胞レベルで研究することが可能となり、近年転移の複雑な機序が分子レベルで解明されつつある。転移は決してランダムに起こるわけではなく、絶えざる遺伝子変化を伴い不均一ながん細胞集団から転移に好都合な細胞形質(増殖能、薬剤感受性、免疫原性、浸潤能、形態など)を獲得し、さらには宿主の淘汰圧から逃れ首尾良くこれらの過程を突破した少数のがん細胞によって形成されうる。その各段階において、がん細胞側と宿主側の相互関係によりがんの転移性、臓器選択性が決定されうるものと思われる。これらの段階を再現し評価するいくつかの実験モデルを使い分けて用いることにより、新規薬剤の開発、詳細な浸潤・転移のメカニズムの解析、転移に関連する新規分子や遺伝子の探索・同定、あるいは更なる優れた実験モデルの開発等に役立てることが出来るものと確信している。
本会はがん転移研究会からスタートし、10年目に「日本がん転移学会」と名称を新たに、世界に向けて着実に研究成果をあげてきている。同様にして、前述の両マニュアル冊子が研究会のもとで作成されて以来10年を経過した。この分野の研究における、遺伝子やタンパク質解析の先端技術などの導入により、より優れた研究成果が得られることを期待するとともに、それに対応するために、生体、細胞および分子イメージングや新しい形態学的な解析手法などの充実した内容の実験操作書を目指して、日本がん転移学会編「がん転移研究の実験手法」として本書を刊行することとした。
がん転移研究をアクティブに進めておられる第一線の研究者の方々に貴重な時間を割いてご執筆いただいた。責任編集者を代表して、執筆者の方々に厚く御礼申し上げたい。本書が実験研究者と臨床家医に広く利用され、がんおよびがん転移の病態解明とその克服への道を切り拓くために役立てていただければ、編集者にとっても大きな喜びである。本書の刊行するためのがん転移研究推進活動をご支持、ご支援下さった、がん転移学会の理事会ならびに評議員の先生方にこの場をお借りして深く感謝申し上げます。
済木 育夫、愛甲 孝
がん転移研究の実験手法
2008年8月11日
第1版第1刷出版
定価 10,290円
(本体9,800円+税)
出版:(株)金芳堂…(株)金芳堂ホームページ
がんの浸潤・転移研究マニュアル  転移の研究の歴史は決して浅くはないが、近年のバイオテクノロジーのめざましい進歩は細胞の位置移動という複雑な現象を分子のレベルで理解できるかも知れないという希望を膨らませている。この様な期待を担って、ここ数年来転移の研究に興味を抱く若い研究者が急速に増えて来た。国の施策としても、転移、浸潤を今後のがん研究の主要な柱の一つにとり上げている。これは、がん対策としての重要性と、遂行の可能性があると考えてのことと思われる。
 平成三年九月、基礎および臨床研究者が相集まって、転移に関する実質的討議を行う場として「がん転移研究会」が発足した。研究活動の一環として、会員の意識調査を行ったところ、浸潤、転移を研究するためのin vitro、in vivo実験系の比較標準化を期待する声が多かった。そこで、東大薬学部入村達郎教授にご相談した結果、先生を中心に転移研究のエクスパートの人達にお願いして、転移実験マニュアルを編纂し、この方面の研究を始めようとされる研究者の一助にしようということになった。時を同じくして金芳堂の企画部長高橋宏行さんから、最近のがん研究のトピックスに関する著述の依頼を受けた。われわれの計画をお話ししたところ、高橋さんを通じて金芳堂さんの快諾を得、全面的な協力を約束していただいた、本マニュアルが完成するに至った経緯である。
 転移は多くのステップを経て成立する。謂わば多元連立方程式の解である。本マニュアルは個々の方程式の解から連立方程式の解に至る実験モデルを収録している。近代科学は分析的結果を線形的に総括して全体を把握しようとする、いわゆる還元主義に根ざしている。しかし、非平衡系で非線形な生命現象は還元主義だけでは完全に理解できない様な気がする。転移という複雑なステップから成る現象も非線形な多元連立方程式に支配されている様に思えてならない。非線形連立方程式の特徴はその解が、変数に与える初期値に極めて敏感なことである。転移を規定するといわれている個々の要因に比べれば、一見大したことはないと思われる微小な変化が致命的な結果を引き起こす直接的な引金になるのかも知れない。がん細胞の多様性の発現(分岐現象)、プログレッションも同様である。この意味から、本マニュアルを利用される方々が、得られた結果を単に線形的にのみ解釈せず、新しい視点を導入されるよう願っている。
 最後に、入村教授の指導力に敬意を表し、そのご苦労に感謝したい。また、金芳堂の高橋さんのご盡力に衷心から謝意を表したい。
1994年3月1日
がん転移研究会会長 明渡 均
がんの浸潤・転移研究マニュアル
1994年6月10日
第1版第1刷出版
定価 5,000円
(本体4,854円税146円)
出版:(株)金芳堂…(株)金芳堂ホームページ
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[続]がんの浸潤・転移研究マニュアル
[続]がんの浸潤・転移研究マニュアル  本書は、1994年6月に刊行された「がんの浸潤・転移研究マニュアル」の続編である。前書を編纂した際に編集者を代表してお約束したように、「続編」では、in vivoモデルとして臓器特異的な癌転移モデルを、in vitroモデルとして分子レベルでのアプローチを主な対象にしている。どちらも比較的最近開発されたモデルと言って良い。前書、続編ともにがん転移研究会の研究推進活動として1993年より1996年まで活動した「in vitro、in vivo転移モデルの比較検討(出来れば標準化)」の一環として作製されたものであるが、特に続編では、実験モデルに基づいて臨床的に意味のある癌の病態に迫ることが念頭に置かれている。
 実験科学としての癌転移の研究は、実験モデルの開発にその端を発する。動物実験モデルの確立に伴って、「癌細胞の転移性」という概念が数量化できる生物学的な性質と考えられるようになった。続いて、転移性の高い癌細胞は、接着性、浸潤性、移動性など、試験管内で細胞生物学的な方法で測定できる「転移に関係する細胞の振る舞い」に特徴を持っていることも確かめられた。これらの測定法が、前書にまとめられたわけである。ヒトの癌の転移と実験的な癌転移とで、共通のメカニズムがかかわっていることが示されると、転移の実験的な研究が持つ臨床的な意義がそれまでにもまして高くなる。ヒトの癌の病態を再現するモデルとしては、これまで広く使われていた実験モデルに限界がある場合も多々ある。ヒトの癌の転移のパターンに見られる臓器特異性を再現する実験モデルや、癌が転移形成に至る道筋の一部のみをin vivoで再現するモデルも作られている。それらの新しい方法が第・部に示されている。癌転移の臓器特異性を測定しているメカニズムや、癌細胞のin vivoにおける特定の挙動を規定するメカニズムもこれらのモデルを用いてアプローチできるようになった。しかし、生体内における癌細胞の振る舞いは多様である。種類の違う癌では、転移が形成するかどうか左右している細胞形成も異なっているらしい。実験モデルを用いて癌転移が形成するに至るメカニズムを理解し、出来ればこれを抑制する治療薬を開発する際に、目的によってモデルを使い分ける必要があることは明らかである。
 癌細胞の生物学的な性質を規定している生体分子の検索が積極的に行われた結果、「転移性を決定する分子」が数多く発見された。ある程度予想されるように、それらは癌細胞と宿主細胞の相互認識、癌細胞による宿主組織の破壊、癌細胞の特定の環境下における増殖に関係する分子であった。これらの分子の発現が、癌の発生と進展をもたらす遺伝子によって、直接または間接に制御されることが確かめられた。このような分子の検出法が示されているのが第・部である。分子レベルでの知見が得られたことによって、臨床病理標本における発現の状況と病態との関連を見出してゆき、という作業が可能になった意義は大きい。その作業は、種々の癌でそれぞれ行われる必要があるが、まだまだ未知の部分の方が大きい。また、今まで知られていなかった分子形質が見つかる可能性も高い。究極の転移決定物質とは、それが発現するとあらゆる転移形質が発現してくるような、いわば親分格の分子であろう。しかし、in vivoにおける癌の発生と進行から、転移の形成に至る道筋を考えてみると、一つの因果関係だけで説明できるとは考えにくい。転移決定分子とは、複雑系の構成員のひとつと考えるべきであろう。
 本書は、癌転移研究をアクティブに進めておられる第一線の研究者の方々に、貴重な時間を割いてご執筆いただいたものである。編集者を代表して、執筆者の方々に厚く御礼申し上げたい。本書を編纂したがん転移研究会推進活動委員会は、本書の編集者でメンバーの所属を見ていただければわかるように、癌転移の腫瘍生物学的な研究を行っている基礎研究者を中心にしていた。がん転移研究会に、今度は臨床家を中心にした研究推進活動部会が新しく設けられ、転移の臨床病態とこれまで明らかにされた転移メカニズムとの関係をさらに追究する予定である。本書が実験研究者と臨床家に広く使われて、転移を中心とする癌の病態の理解とその克服への道を少しでも容易にすれば、編集者にとっても大きな喜びである。がん転移研究推進活動をご支持下さった歴代のがん転移研究会長、末舛惠一先生(国立がんセンター)、小林 博先生(札幌がんセミナー)、明渡 均(大阪府立成人病センター)、渡辺 寛先生(国立がんセンター)、鶴尾 隆先生(東京大学分子生物学研究所)、および田原榮一先生(広島大学医学部)にこの場を借りて深く感謝申し上げる。
1997年3月 入村 達郎
[続]がんの浸潤・転移研究マニュアル
1997年4月10日
第1版第1刷出版
定価 本体6,000円+税
出版:(株)金芳堂…(株)金芳堂ホームページ
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癌転移のメカニズムがよくわかる「肝転移のすべて」
癌転移のメカニズムがよくわかる「肝転移のすべて」 序文
 平成16年に第14回日本がん転移学会会長の任を受け、この1年間微力ながらも癌撲滅に一石を投じたいと考えてきた。当学会の主たる活動の一つに研究推進事業があり、これを機会に長年の構想であった肝転移についての総合的な書物を刊行したいと考え、日本がん転移学会の会員の先生を始め多くの先生にご協力をお願いした。
 日本がん転移学会は基礎、開発、臨床がクロスオーバーして参加する学会で、その趣旨は3者の知識を用いあわせることにより現実的な癌転移の治療方法を開発することを目的としている。したがって、本書も前半部分を基礎編として肝転移のメカニズムを解明することを目的とし、後半は臨床編として肝転移の診断から、治療までの現状を紹介していただいており、総合的に肝転移を理解することを目的としている。
肝転移の基礎
 肝転移の成立過程は、癌転移に共通して関係する原発巣から癌細胞が遊離して血管内に侵入するまでの段階と、臓器特異的と考えられる標的臓器の血管内皮に接着してから転移巣として成長するまでの段階に分けられる。主に前半を支配するのは接着分子、細胞運動因子、蛋白分解酵素などであり、後半は増殖因子、血管新生因子、局所免疫などが関与するであろう。特に、転移に関する基本マシナリーはかなりの部分まで解明されてきたので、今後は臓器特異的な転移メカニズムの解明を期待したい。また、臨床経験では肝転移は肺転移など他の臓器の転移より成長が早い、化学療法が効きにくいという印象をもつ。このような臨床家の素朴な疑問も基礎的に解明してゆきたい。網羅的遺伝子解析は近年の医学研究におけるもっとも大きなトピックスであるが、この手法は転移の原因遺伝子を検索するのに有効なだけではなく、遺伝子発現パターンを解析することにより、原発巣と転移巣の癌は同じなのだろうか?癌はどの段階で転移能を獲得するのか?といった転移に関わる根源的問題を解明しつつある。
肝転移の臨床
 剖検では癌の半数に肝転移が認められ、肺、リンパ節などと並びもっとも頻度の高い癌の転移形式である。また、大腸癌、肝細胞癌などは肝臓以外に転移のみられないというケースも多くある。解剖学的な要因なのか生物学的要因かは明らかではないが、これらの癌では肝転移は治療標的として他の臓器の転移とは重要性が全く異なる。根治の可能性があるということはPET、SPIO MRI、など最新の診断技術を駆使し早期発見、多発転移を診断することが重要になってくる。肝転移が局所病であるならば外科切除、移植などヶ究極の治療になるが、そうでないケースでは化学療法やablationなどの適応になってくる。肝転移といえば大腸癌と考えられがちであるが、実際は膵、胃、食道、乳癌など多くの癌で肝転移は最も多い血行性転移である。臨床実地では手術適応、抗癌剤選択などの肝転移治療は臓器特異性が非常に強い。本書ではかなりの部分を割いて各臓器ごとの肝転移の意義を検討したので肝転移の診療ガイドラインとして参照していただきたい。また、最近のホットな話題としては,分子標的治療である抗血管新生薬が肝転移に有効であるというのが臨床試験で報告されている。抗血管新生薬の開発は、臨床、基礎、製薬の融合として本学会の理想とするモデルであり、今後どこまで成績、適応を伸ばしてゆくか注目される。
 最新の知識と技術を充満させた本書においても、近年の生物学、医学の急速な進歩に対しては10年間その価値を維持し続けるのは困難かもしれない。しかし、いくら臨床,基礎の個々の研究者が断片的な知識を持ちあわせていたとしても、総合的な理解がなければ患者の利益に結びつくような新規の治療法の開発に結びつかないと懸念される。本書が基礎と臨床の最新の知識交換の場として利用され、現実の診療において少しでも患者利益に還元されることを期待したい。
 末筆ながら、お忙しい中、分担執筆を快諾いただいた諸先生方、また乏しい予算と時間的制約の中でご尽力いただいた永井書店の松浦氏に改めて感謝の念を申し上げたい。
平成17年11月 門田 守人  
癌転移のメカニズムがよくわかる「肝転移のすべて」
2005年12月20日
第1版発行
定価 9,975円
(本体9,500円+税5%)
出版:永井書店…永井書店ホームページ
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